Abstract
本稿では漢字が日本語のコミュニケーションにおいてどのような役割を担うか、1980 年代から始まった①日本語を書くという行為の技術的変化と、②日本語をつかう人々の背景の多様化、という二つの変化に焦点を当て考察する。書く行為は筆記技術の変化とともにコンピュータの補助のもとキーボードで為されるようになり、書き手は漢字の形を明確に覚えていなくても数多くの漢字をアウトプットできるようになった。一方、同時期に日本国外からの移住者が増加し、言語的文化的背景が多様な読み手にとって漢字数の多い文章は負担となる可能性がでてきた。漢字に関する言語政策は、絶え間なく変化するデジタルメディア環境のなかで、書き言葉の多様性と日本語をつかう人々の多様性のバランスをどのようにとるかという問題に直面している。
Translated title of the contribution | Kanji Literacy, Writing Technology and Immigration in Japan: Balancing the Growing Diversity of Language Demands and Written Text Production in a Digital Media Environment |
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Original language | Japanese |
Pages (from-to) | 80-93 |
Number of pages | 14 |
Journal | 日本學刊 (Nihon gakkan) |
Volume | 22 |
DOIs | |
Publication status | Published - 15 Jun 2019 |